連合ニュース 2025年

 
2025年09月24日
全国社会保険労務士会連合会と意見交換会を実施
意見交換の様子
 連合は9月18日、全国社会保険労務士会連合会(以下「社労士会」)と意見交換会を実施しました。
 
 開会にあたり、連合 清水事務局長が、「社労士会と連合とは、2013年から意見交換を実施しているが、意見交換だけではなくAction36!の取り組みなどを通じ、本部・地方段階でも連携を深めてきた。こうした連携の仕組みを大事にしていきたい。社労士会がめざす『人を大切にする企業と社会』と、連合がめざす『働くことを軸とする安心社会』の方向性は一致している。この思いを共有し、活発な意見交換をお願いしたい」と述べました。
 
 次いで、社労士会の石倉副会長が、「社労士会のめざす『人を大切にする企業と社会』を作ることこそが、本年の社労士法改正で盛り込まれた社労士の使命規定『事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上並びに社会保障の向上及び増進に資し、もって豊かな国民生活及び活力ある経済社会』の実現につながる。この思いを持って活動をしたい。連合とは本日も含め連携をお願いしたい」とあいさつしました。
 
 その後、両団体から取り組み報告を行いました。まず、連合からは、集団的労使関係強化に向けた取り組みなどについて報告を行いました。加えて、労働相談や本年1月に公表した「スポットワークに関する調査2025」などから見えてきた課題として、企業と労働者双方の「働くこと」に関する意識醸成とワークルール教育の重要性などについても述べました。
 
続いて、社労士会からは、「ビジネスと人権」の担い手としての「BHR推進社労士」の養成の取り組みや、集団的労使関係法も含む労働法の会員向け研修の状況について報告がありました。また、一部の社労士による不適切な情報発信への対応としては、本年1月に「社労士の職業倫理に照らし不適切と考えられる情報発信に関する指導指針」を改訂し、会員に周知したことなどが報告されました。
 
 意見交換では本年6月に成立した社会保険労務士法改正法についても議論がおよび、連合からは、(1)「労務監査」が一部の社労士による問題行動を正当化されるべきではないこと、(2)「補佐人制度」については、社労士の介入により労働審判実務が混乱しないようにすべきことという課題認識を述べたうえで、自主規制の整備などを求めました。これに対し社労士会からは、改正法の施行通達の会員の周知とともに、研修の充実や改正法などもはかっていく旨の回答がありました。
 
 また、学校教育における「働くこと」や労働法の知識啓発の重要性についても議論が及びました。社労士会からは社労士による学校への『出前授業』の状況やリーフレットの紹介があり、連合からは「働くみんなにスターターBook」や寄付講座の取り組みを報告し、ワークルール教育の重要性を共有しました。
 
 その他、「働き方改革」の5年後見直しが行われていることを踏まえた上での時間外・休日労働の上限規制の重要性や、若者を中心に利用が広がりつつある退職代行の問題などについても意見交換を行いました。
 
 最後に、働く者と企業が幸せの実現に向けて両団体の連携強化が重要であることを改めて確認し、意見交換会を終了しました。
 
以 上
  • 開会あいさつを述べる清水事務局長
  • 社労士会の石倉副会長